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2006/10/13

声は聞こえる

奪われた過去もいつかは報われて声は命よりあとに止む


大切なお友だちに彼氏ができた。

病気や両親のことや恋愛や仕事、金銭面での苦労、
彼女のこれまでの人生がどれだけ大変だったかを知っている。

わたしは彼女の面倒を一生みてあげるつもりでいた。
自分の立場もわきまえず、本気で。
それしかないかも、と真面目に思っていたのだった。

だけどこれからは彼氏にお任せできる。
年上で頼もしそうだし。結婚しないかな!

以上のようなことをおばあちゃんと話していたら、
とあるエピソードを聞いた。

三年前に亡くなったおじいちゃんは、
わたしの母がお嫁にいくことになったとき、
悔しくて悔しくてふとんをかぶって声をあげて泣いたんだそうだ。
でも、ふとんから声がもれてた、って。

おじいちゃんは毅然とした強い人で、おばあちゃんですら
泣いたのを他に一回しか見たことがないらしい。
何があっても慌てないし短気もおこさない。

そんな寡黙なおじいちゃんの、稀に見る激しいつらさを想った。
そして、その気持ちの尊さや品格を感じた。
「かわいそうだったね」と呟いた。
なんだかちょっと悲しくなってくる。

でも、でもでも、その結婚のおかげで、
兄が生まれてわたしが生まれて
姪(おじいちゃんにとってはひ孫だよ)が生まれた。
わたしの子だって生まれるかもしれない。
おばあちゃんはその子にもきっと会える。
だから良かったでしょ。

そうやって今度は、おじいちゃんに話しかけるように心の中で思った。
きっと聞こえている。

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