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2009/06/13

谷川俊太郎「トロムソコラージュ」を読んで

くちびるに守護霊が憑依した今日はやさしい言葉だけを交わそう

美しい詩を読み上げるというのは、
なんて快感なんだろう。

谷川俊太郎さんの新作詩集「トロムソコラージュ」を
図書館で借りてきたのは五日前。
それから声を出して読み上げたのは一回だけで、
あとはランチのあとか電車んなかで、
頭ん中で朗読したのが五回。
それでもなんとも気持ちいいんだ。
やみつきになっている!

表題である「トロムソコラージュ」は
14ページに渡る長い詩だ。
ここで立ち読みできます。

頭ん中はめまぐるしく変動する。
好きな人のことを思った瞬間に、
道にある花に目を奪われて実家を思い出したかと思うと、
カレーが食べたいと思って、
そいえばキムチ最後に食べたのいつだっけだとか感じて、
古い友人がいまどこにいるかとふいに考えたり、
ある人が大好きだった日々のことを引っ張りだしたあと、
その人を大嫌いになった夜の踏切が鳴った気もして、
太田光と宇多田ヒカルの人生を切なく思っては、
今日は熱っぽくてはやく帰りたいと決めたあとすぐに、
宇宙の法則を妄想したりする。

それはもうめまぐるしい思考のアドベンチャーだ。

谷川さんの「トロムソコラージュ」も、
思考がアドベンチャーしていて素敵。
読んでいると、好きな人に好きだって言われた
翌日のような気持ちになる。
(…ずいぶん味わってない)
そういう、あまい気持ちだ。

あの三行に向かって
アドベンチャーしてたんだなって思うほどの、
ささやかな結論がいいです。
しかもその三行は中盤にある。

悲しいことで落ち込んだあとにも、
この詩はそこにあるというのか!
なんて素晴らしいんだろう。

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